被災地からのレポート8(2011年11月)

7に続き現地の様子と活動内容についてレポートします。

 @街の様子は?
残されていたビルなど大きな建造物の取り壊しが始まりました。山積みになっていたガレキなども重機で仕分けされ、あちこちにあったガレキ山も低くなったりなくなったりしています。


復興食堂(大槌町


@街の復興は?
被害が大きく遅れていた市町村でも復興計画が発表されました。陸前高田市は防潮堤の建造、住宅建設地のかさ上げ、高台への移転、避難道路の確保といった内容ですが、防潮堤の完成までは3〜5年もかかるので、その間は住宅建設ができないとすると住民の仮設住宅からの脱出はさらに時間がかかることになります。まず高台に県営や市営の団地を作り、環境の悪い仮設住宅に住んでいる人々から優先的に移住するといった処置が必要でしょう。私は空いた仮設住宅を再利用し海沿いに番屋を設置して早く漁に出られるようにと進言しています。

@避難民は?
いよいよ寒さが厳しくなり、仮設住宅の周辺にも人気がなくなりました。仮設住宅の冬対策として断熱材が設置されましたが、屋根も床も薄いので寒さはきつそうです。まとまりのある仮設団地では住民たちが結束して内職を試みています。例えば、ふきん作り、木工品、挿し子手ぬぐい、ハンモックなどですが、寄せ集め的な仮設団地では「閉じこもり」が増える傾向にあるようです。


レールの錆びた三陸鉄道


 @支援体制は?
閉鎖されたボランティアセンターも出始めました。寒くなりボランティアさんの作業の内容も制限されています。仮設でも集会所がある所には「お茶会」の開催などをしに行く団体もありますが、集会所のない仮設には何も手立てがありません。私たちは9月で野菜種の配布を終了してから、*干し柿作り、*湯たんぽ配り、*水仙などの植え付け、*無袋低農薬リンゴの配布などを行っています。これからは森林管理署の協力を頂いてホダ木へのナメコの植菌をみんなでやりたいと考えています。

 @今後の課題は?
ボランティア団体でも支援に息詰まるところが出てきています。前号でも触れましたがそれぞれの団体の得意分野を出し合い、共有できるものは吸収し、それぞれの地域で展開するといった柔軟さが必要です。ちなみに私たちは、それぞれの仮設団地のオリジナルエコバックの制作をそこに住んでいる人たちの内職というかたちで展開しようと考えています。


湯たんぽと仮設の美人さん

 @個人的にできることは?
現地支援をしている団体(遠野まごころネット・花巻結いっこ、社会福祉協議会など)に登録し、行ける日を事前に連絡し現地へ。被災者を心配する心の持続。手作り製品の購入。


吉里吉里小&小友小&小原木仮設

活動経過
1日 仮設廻り(上荒川&大石)
7日 図書配布など「ゆきわらし(カブ)」の種の配布          
8日 干し柿作りなど(上荒川&大石)
9日 エコフォーラムチラシ&ポスター配布(釜石&大槌)
16日 柿もぎ&干し柿作り(長部&碁石
20日 ボランティアセミナーで講演(花巻)
23日 三陸復興プレフォーラム(遠野)
22日 湯たんぽ配布&干し柿作り(上荒川&大石)
29日 湯たんぽ配布&水仙球根植え(陸前高田&大槌)
30日 リンゴ配布&チラシポスター配布(陸前高田