被災地からのレポート③

①,②に続き現地の様子と活動内容についてレポートします。


 @街の様子は?
かなりの数のダンプカーなど大型車両が往来し、仕分けされたガレキを運び出しています。風が吹くとばいじんが巻き上がり目がチクチクするような時があります。魚類加工場が流された地域では臭いがひどく、ハエが増えてきました。主産業に関連する市場などの整備が進んでいます。


現在の陸前高田市

 @街の復興は?
市町村によってかなりの温度差があります。住民との集会を何度ももっている地区もあれば、まだ集会への道筋をさぐっている段階の地区もあります。国や県もアンケートや意見募集を実施していますが回収率は低いようです。

 @避難民は?
仮設住宅が次々に完成し、集団生活から解放された人たちが入居し始めました。それに伴い、抽選から外れた人たちが大きな避難所の中で寂しそうです。仮設住宅はプレハブなので夏の暑さが応えると思われます。また住宅といっても無味乾燥、大きな檻の中に入れられたようなものなので、特に雨降りの日などはかなり憂鬱感や焦燥感に悩まされることでしょう。また仮設に入ると支援物資が配給されなくなるので車のない人たちは孤立してしまいます。

 @支援体制&今後の課題は?
阪神・淡路大震災の時もそうでしたが、3か月を過ぎたあたりから肉親や家などを失った実感が湧き、孤独感から<うつ>に発展するそうです。実際、自殺者も増える傾向にあるようです。支援は今後、物資から心のケアに移らなければなりません。しかし、訪ねて行って「何か悩み事は?」と聞いても応えてくれることは少ないでしょう。私たちは仲間たちや他の団体とも連携し、心のそばに近寄れる方法を実践しています。それは、種や苗をプランターといっしょに仮設住宅に届け、育成の相談を切り口することです。


仮設住宅への野菜苗の配布

 @支援物資などは?
今、ニーズが多いのは、夏用の下着類、Tシャツ、タオルケット、アサガオの種、プランター、ハエ採りなどです。プランターは遠野のまごころネットに5千個届く予定なので大丈夫です。また、岩手コンポスト(株)からはEM活性液と有機たい肥の無償提供を受けており、それぞれ600リッターと800kgほどを現地に届けています。


EM活性液をプールに投入

 @個人的にできることは?
現地を見に来てほしい。「遠野まごころネット」は自己完結ができれば来る人拒まずで、寝袋持参なら体育館に泊まれます。それから被災者を心配する心の持続です。

活動経過
6月
 1日 花苗配布(大槌町
 2日 被災妊産婦ケア
 3日 講演会段取り
 6日 岩手コンポストからEM活性液400リッター頂く
 7日 プールにEM活性液投入(吉里吉里小)
 8日 EMを記念樹などに散布(小友小)
 9日 被災妊産婦ケア・被災地の現状を講義(岩手大学
10日 講演会の準備
11日 講演会(被災者&支援者)
12日 野菜苗の配布(陸前高田
13日 岩手コンポストからEM100リッター頂く
14日 校庭にEM散布・江刺の佐藤さんから野菜苗約500株頂く
15日 野菜苗配布(長部小、長部コミセンなど)
16日 被災妊産婦ケア・プランター100個確保
19日 佐藤さんから野菜苗約500株頂く・野菜苗配布(広田半島各地避難所)
21日 佐藤さんから野菜苗頂く+土+プランター配布(長部仮設住宅
22日 避難所回り(大船渡&広田半島)
23日 被災妊産婦ケア
25日 佐藤さんから野菜苗300株頂く
26日 野菜苗配布(長洞地区)・避難所閉所パーティに招待され参加(碁石コミセン)
28日 FM花巻に出演・被災地へ
29日 被災地
30日 被災妊産婦ケア